ゆなの視点

30過ぎに戸籍の性別を女性に変更しました。そんな私の目から見た、いろんなことについてお話しできたらと思っています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

日本共産党からの返信

(予め問い合わせのメールに返事は公開したいという旨を記しておりましたので、転載が認められているものと見做して以下に全文を公開致します。もし日本共産党の方で問題があるようでしたらご連絡下さい。私としては、明示的にトランスジェンダーの人権を支…

日本共産党への問い合わせ

昨日の笙野頼子氏による、既に話題になっている記事を受け、個人的に日本共産党へ問い合わせのメールを送りました。まだ特に回答等は頂いておりませんが、その内容を共有いたします。 〈以下、メールの引用〉 突然のご連絡失礼致します。私は「ゆな」という…

プライド

「トランスジェンダー・プライド」と言われても、ずっといまひとつピンと来ていなかった。「私は望んでこんなふうに生まれたわけではない」、「こんな体であることに誇りなんて持ってはいない」……、そんなふうに思っていた。「プライド? 誇れるひとはいいよ…

ボタン

洗濯物をたたみながら、ふとボタンのつけ外しに戸惑わなくなったことに気づく。服を着るときにも、脱いだそれを洗濯機に入れる前にも。私は、女性のそれに見えない自分の体が、ずっと嫌いだった。そしてその体で女性服を着て「女装者」のような見かけになる…

小説紹介 藤野千夜『夏の約束』(講談社文庫)

「軽さ」の重さを味わう 1999年下半期の芥川賞を受賞した藤野千夜さんの代表作。確か中学生くらいの頃に読んだことがあったはずですが、当時はあまりピンと来ておらず、すっかり忘れてしまっておりました。けれど少し前に同じ藤野さんの『少年と少女のポルカ…

すでに隣人である私からすでに隣人であるあなた達へ

差別的な言説の常として、トランス女性の「加害性」を語る人々の言葉には、私達の普段のリアルな姿が現れていないように見えます。それはちょうど、映画『ジョジョラビット』で、ユダヤ人への偏見に凝り固まった主人公が、「ユダヤ人ってどんな人?」と聞か…

社会的に構成された名をそれでも名乗ること

私が自分の女性という性別にこだわり、さらにトランスでもあるということを語るとき、ときにリベラルな人々、とりわけ多いのはシスヘテロ男性に、「性差などは社会的に構成されたもので、実在物ではないのだから、それをあえて語る必要はないのではないか」…

小説紹介 遍柳一『平浦ファミリズム』(ガガガ文庫)

今まで見たことのない「リアルじゃない」トランス女性 久しぶりに、小説の紹介をさせてください。ご紹介したいのは、これ。平浦ファミリズム (ガガガ文庫)作者:遍柳一発売日: 2017/07/28メディア: Kindle版遍柳一さんの『平浦ファミリズム』です。ガガガ文庫…

「みんな」になれない「私たち」、あるいは私

新型コロナウィルスの感染拡大から、いろいろなことが起こっている。少なからぬ人々が在宅勤務へと業務形態を変え(もちろんそうできない職種のひともいるが)、必要なものを買いに出るときにはマスクを欠かさず、そして新たな感染者の数の推移を見守ったり…

千田氏の応答に対して

「女」の境界線を引き直す意味-『現代思想』論文の誤読の要約が流通している件について|千田有紀|note「虚偽」という言い方は「誤読」と変更してくださったみたいです。ありがとうございます。迷ったのですが、「虚偽の要約」とまで言われて黙っていると…

千田有紀「「女」の境界線を引きなおす:「ターフ」をめぐる対立を超えて」(『現代思想3月臨時増刊号 総特集フェミニズムの現在』)を読んで

(査読のない商業誌である『現代思想』に掲載されるのは「論文」ではなく「論考」だろうというご意見をいただきました。こういう文章をどう呼ぶべきかわからず「論文」と書いてしまいましたが、そのために誤った印象を与えてしまったかもしれません。申し訳…